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特集 アスリートの腰部pain generator―謎の腰痛を攻略する最新の知見
種目別腰痛
-―水泳選手の腰痛―
Low back pain in swimmers
奥田 鉄人
1
,
半谷 美夏
2
,
金岡 恒治
3
Tetsuhito OKUDA
1
,
Mika HANGAI
2
,
Koji KANEOKA
3
1金沢星稜大学人間科学部,スポーツ学科
2国立スポーツ科学センター,スポーツメディカルセンター
3早稲田大学,スポーツ科学学術院
キーワード:
Swimming
,
Low back pain
,
Prevention
Keyword:
Swimming
,
Low back pain
,
Prevention
pp.1531-1539
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001493
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要旨:スポーツと腰痛の関係性について明らかなエビデンスはないが,水泳選手は他のスポーツ選手に比べ腰痛が有意に多い。水中で浮力があり荷重が免荷されている水泳で腰痛が多い理由は,繰り返すキック動作により,下位腰椎の変位が繰り返され椎間板内の水分出納現象が障害され椎間板が変性すると考えられている。しかし体幹の剛性を増すことでその変位が少なくなることがわかっており,トップスイマーでは椎間板の変性が多く腰痛の有病率が高かったが,深部体幹筋のトレーニングにより腰痛は有意に減少した。ジュニアスイマーについては骨成長が最大になる中学生で腰痛は増加し,体幹の左右非対称など脊椎のアライメントに異常が生じることが多く,正しいフォームでの練習や,体幹筋の非対称性の是正などで腰痛は改善する可能性が高い。しかしこの時期に正しく介入しないと難治性の腰痛になる可能性があり,注意を要する。
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