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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
骨粗鬆症を有する患者への治療
胸腰椎移行部の骨粗鬆症性椎体骨折に対する脊椎固定術の治療成績
Surgical outcomes of spinal fusion for osteoporotic vertebral fracture in the thoracolumbar spine
渡辺 慶
1
,
渋谷 洋平
2
,
勝見 敬一
3
,
平野 徹
1
,
遠藤 直人
1
Kei WATANABE
1
,
Yohei SHIBUYA
2
,
Keiichi KATSUMI
3
1新潟大学医歯学総合病院,整形外科
2新潟中央病院,整形外科・脊椎脊髄外科センター
3魚沼基幹病院,整形外科
キーワード:
Osteoporotic vertebral fracture
,
Spinal fusion
,
Thoracolumbar spine
Keyword:
Osteoporotic vertebral fracture
,
Spinal fusion
,
Thoracolumbar spine
pp.607-612
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000877
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要旨:胸腰椎移行部の骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)に対する,当科での前向き治療プロトコールに従って施行された4つの術式間の治療成績を比較検討した。手術侵襲はballoon kyphoplasty(BKP)群<2 above-1 belowの後方固定併用椎体形成術(VP)群<長範囲後方固定併用VP群<椎体骨切り(3CO)群の順で侵襲が大きかったが,アライメント矯正は3CO群でのみ獲得できた。腰痛については,BKP群とVP群で有意な改善を認めたが,歩行機能の獲得は4群とも良好であった。続発性骨折は全体の41%と高頻度に認め(4群間の発生率に差なし),再手術の原因の69%を占めていた。続発性骨折対策と合併症予防のための低侵襲化が課題であり,また脊柱変形矯正の要否については今後の解析が必要である。今後,患者の高齢化に伴い,個々の病態に即したより低侵襲手術を臨機応変に選択することが求められる。
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