Japanese
English
特集 医療経済からみた整形外科疾患
骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術の費用対効果
Cost-effectiveness of vertebral augmentation for osteoporotic vertebral fracture
高橋 真治
1
,
星野 雅俊
2
,
寺井 秀富
1
Shinji TAKAHASHI
1
,
Masatoshi HOSHINO
2
,
Hidetomi TERAI
1
1大阪公立大学大学院医学研究科,整形外科学教室
2済生会中津病院,整形外科
キーワード:
Cost-effectiveness
,
Osteoporotic vertebral fracture
,
Vertebral augmentation
Keyword:
Cost-effectiveness
,
Osteoporotic vertebral fracture
,
Vertebral augmentation
pp.679-684
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003411
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:Balloon kyphoplasty(BKP)の費用対効果に関してはいくつか報告があるが,各国の医療費の状況の違いもあり一貫していない。そこで本邦の医療システムをもとに,本研究ではMRIで予後不良因子が確認された骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)を対象に,BKPと保存療法の費用対効果を比較した。その結果,保存療法と比較したBKPの増分費用効果比(ICER)は約242万円/QALYで許容範囲内と判断されたが,80歳以上の高齢者ではICERが増加する傾向が認められた。それにもかかわらず,保存療法に抵抗を示す80歳以上の症例においては,低侵襲性のBKPが安全かつ有効な治療選択肢として位置づけられる可能性がある。また,介護費用やインフォーマルケア費用を考慮すると,BKPはさらに費用対効果に優れた結果になる可能性が示唆された。本研究の結果は,超高齢社会におけるOVFの治療戦略に新たな指針を提供するものである。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.