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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
側弯症に対する治療
特発性側弯症における椎弓根スクリューの意義
Significance of the pedicle screw for idiopathic scoliosis
宮崎 正志
1
Masashi MIYAZAKI
1
1大分大学医学部,整形外科
キーワード:
Idiopathic scoliosis
,
Pedicle screw
,
Spinal deformity
Keyword:
Idiopathic scoliosis
,
Pedicle screw
,
Spinal deformity
pp.551-558
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000868
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要旨:特発性側弯症における椎弓根スクリュー(PS)を用いた後方矯正固定術は強固な固定力により矯正率が高められ,外固定が簡略化できることから現在広く行われている。その一方で,PS挿入に伴う神経血管合併症などの問題点も存在する。特発性側弯症における胸椎の解剖学的特徴は,側弯の頂椎部で回旋を伴い凹側の椎弓根は細く長く,凸側は逆に太く短い。われわれの脊椎造影検査後CTを用いた検討では,凹側椎弓根横径は凹側椎弓根内側縁脊髄距離と有意な相関を示し,頂椎部付近凹側ではPSの椎弓根内側穿破にて脊髄損傷の危険性が高い。術前評価にて椎弓根が狭く硬化しており,PS挿入が難しいと思われた場合はほかのアンカーを選択すべきである。PS法の利点としてPSを介したdirect vertebral rotation(DVR)による椎体回旋変形の矯正が挙げられる。しかしながら過度の力が加わった場合,椎体骨折が生じ,PSの緩みや神経血管合併症が引き起こされる危険性も理解しておかなければならない。
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