発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176244
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
48例の良性骨腫瘍手術後の骨欠損に対し,高純度β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を補填した.移植直後のβ-TCPは周囲骨との境界が明瞭であったが,1年を過ぎると約70%の症例で吸収され,周囲の骨との区別がつかなくなった.2年以上観察できたのは39例で,平均補填体積6.6m2の33例(84.6%)では移植されたβ-TCPは完全に吸収され,残り6例(15.4%)の補填体積は平均8.5m2で,β-TCPの吸収置換は術後2年を経ても進まなかった.骨内に補填されたβ-TCPを組織学的に観察すると,術後3週で新生血管がみられ,4週で骨形成と破骨細胞様細胞による補填材料の盛んな貪食が観察され,8週で吸収された部位に新生骨の添加が進んでいた.骨を1つの弾性体と考えた場合,β-TCPは時間を要するが確実に吸収置換され,もとの骨の構造を再生しうると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005