徹底分析シリーズ 麻酔科医のプロフェッショナリズムを考える
コラム:やってみよう,significant event analysis—実践躬行(じっせんきゅうこう)肩の力を抜いてまずはやってみよう
鵜澤 康二
1
,
徳嶺 譲芳
1
,
萬 知子
1
Koji UZAWA
1
,
Joho TOKUMINE
1
,
Tomoko YOROZU
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.340-343
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200822
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significant event analysis(SEA)とは,プロフェッショナリズムの学修方法の一つである1)。その起源は,1950年代にFlanaganによって開発された米国空軍における危機管理トレーニングcritical incident technique(CIT)とされている2)。CITは,1980年代には,医療現場で起こった重大事象の分析に使用された。そして現在,CITはSEAへと形を変え,医療現場において医師のプロフェショナリズム学修に活用されている。
SEAは,事例や症例に関して,①当事者が深く振り返り,②言語化し,③今後の改善に対する提言をする,という一連の流れで行われる。一人で行うこともあるし,チームで行うこともある。医療現場において多人数でSEAを行う場合は,チーム内のコミュニケーションの改善やチーム力の向上,チームの教育にメリットがあるとされている2)。
筆者は医療教育の専門家ではないし,もちろん危機管理の専門家でもない。しかし,麻酔においてはプロフェッショナルになりたい,プロフェッショナリズムにのっとって行動したいと思うし,少なくともそれを目指して日々臨床に取り組んでいる。こんな一般的な麻酔科医が,SEAをどのように考え,どのように実践しているか,ありのままをお伝えしたい。
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