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特集 宇宙医学から学ぶロコモ予防
宇宙医学から学ぶ抗重力筋の重要性
Antigravity muscle as a key player of locomotive health
河野 史倫
1
,
増澤 諒
1
Fuminori KAWANO
1
1松本大学大学院,健康科学研究科
キーワード:
Microgravity environment
,
Slow-twitch muscle fiber
,
Epigenetics
Keyword:
Microgravity environment
,
Slow-twitch muscle fiber
,
Epigenetics
pp.757-761
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000905
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要旨:重力に対抗した姿勢制御のために持続的に活動する骨格筋を「抗重力筋」と呼ぶ。微小重力環境曝露など不活動に伴う抗重力筋量の減少は,重力下において自重を支えた活動を困難にする。抗重力筋は遅筋線維を多く含有するという特徴を持つ。ラットを用いて出生後から成熟まで抗重力筋活動を抑制した場合,遅筋線維含有率の高いヒラメ筋では発育に伴う遅筋化や筋線維肥大が完全に抑制された。抗重力筋活動はヒラメ筋に特殊なエピジェネティクスを発生させることもわかっている。アセチル化ヒストンなどの活性型ヒストン修飾は,通常転写量の多い遺伝子座に多く分布するが,ヒラメ筋では活性型ヒストン修飾と遺伝子発現に相関がみられない。遅筋特有のエピゲノム特性には遺伝子の転写活性を制限する機能があるという結果も得られており,抗重力筋特性を維持するためには筋活動による生理刺激を与え続けることが必須であると結論づけている。
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