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特集 宇宙医学から学ぶロコモ予防
宇宙医学研究からロコモティブシンドロームを解明する
Biological and medical space researches and locomotive syndrome;skeletal muscle adaptation to space environment and aging
後藤 勝正
1
Katsumasa GOTO
1
1豊橋創造大学大学院,健康科学研究科
キーワード:
Skeletal muscle
,
Atrophy
,
Countermeasure
Keyword:
Skeletal muscle
,
Atrophy
,
Countermeasure
pp.763-770
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000906
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要旨:宇宙環境への曝露は,抗重力活動を減少させ,姿勢維持筋などの遅筋優位な萎縮を引き起こす。一方,加齢に伴う筋萎縮では,相動性の速筋優位の萎縮が認められるなど,骨格筋萎縮をもたらす要因により筋萎縮の病態も異なる。例えば,加齢性に萎縮した骨格筋では,運動単位の減少など神経支配の再構成が認められる。また,筋核内に蓄積する分子の挙動にも不活動と加齢の影響では異なる。これは1つの遺伝子から複数の成熟mRNAを生み出すという選択的スプライシングの異常やストレスに対する抵抗性が関与している可能性がある。一方で,脂肪滴の増加など共通する病態もある。骨格筋の形態と機能の維持に,骨格筋特異的組織幹細胞である筋衛星細胞が重要な役割を演じていることから,筋衛星細胞を活性化するような温熱刺激負荷や酸化ストレスを減少させるようなアプローチは,サルコペニアさらにはロコモティブシンドロームの抑制に有用かもしれない。
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