Japanese
English
第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
宇宙環境に関連した各研究対象と最新の知見
重力ゲートウェイ反射をもとにした宇宙実験の実施
Gravity-gateway reflex and space
石井 明日香
1
,
内田 萌菜
1
,
村上 正晃
1
Asuka ISHII
1
,
Mona UCHIDA
1
,
Masaaki MURAKAMI
1
1北海道大学遺伝子病制御研究所,同大学院医学研究科分子神経免疫学教室
キーワード:
ゲートウェイ反射
,
IL-6アンプ
,
ヒラメ筋
,
MHU-4
,
微小重力
Keyword:
ゲートウェイ反射
,
IL-6アンプ
,
ヒラメ筋
,
MHU-4
,
微小重力
pp.569-576
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906569
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
重力が神経系-免疫系の相互作用に影響を及ぼしていることが “重力ゲートウェイ反射” から示唆された.しかし,地球上では宇宙のような微小重力環境の作出は困難である.そこで,宇宙航空研究開発機構(JAXA)および米国航空宇宙局(NASA)との共同研究により炎症疾患モデルマウスを用いた宇宙実験を行い,重力による神経系-免疫系の相互作用と炎症病態への影響を評価した.炎症疾患モデルマウスにはミエリンに対するT細胞と網膜光受容体に対するT細胞を移入したマウスを用い,国際宇宙ステーション(ISS)にある日本の実験棟である「きぼう」にて32日間飼育した.地球帰還後のマウスの詳細な解析は現在進行中である.この実験から,中枢神経系および網膜炎症に対する重力の生理学的な影響が明らかとなれば,神経系を介した炎症性疾患や宇宙飛行士の視覚障害に対する新規の治療法につながることが期待される.さらには重力刺激を起点としたゲートウェイ反射を利用した幅広い疾患に対する新規の治療法につながると考えている.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.