Japanese
English
特集 宇宙の極限環境から生命体の可塑性をさぐる
Ⅰ.重力変動の生理機能への影響
重力に応答する骨組織─宇宙開発にみる生命科学研究
Effects of gravitational changes on bone tissue:life science research in space development
茶谷 昌宏
1
Chatani Masahiro
1
1昭和大学歯学部歯科薬理学講座
キーワード:
骨
,
重力
,
宇宙
,
破骨細胞
,
骨芽細胞
,
メダカ
,
模擬微小重力装置
Keyword:
骨
,
重力
,
宇宙
,
破骨細胞
,
骨芽細胞
,
メダカ
,
模擬微小重力装置
pp.110-117
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200770
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地球上に存在する生物に関して,骨組織をはじめ血管,神経,筋肉など様々な組織の複合的な構成は,重力環境に適応していると言って差し支えないはずである。1900年代初頭に生物への重力影響について考察した記録があるが,地球上の重力加速度は約9.8(N/kg)という一定の値であるため,生物における重力の意義を解明することは容易でなかった。しかし,1960年代に宇宙開発が本格的に始まり,無重力状態となる宇宙船内で人間が生活をすると,人体で様々な変化が生じることが明らかになった。骨量の減少はその1つであり,骨と重力は密接な関係にあることがわかってきた。宇宙を利用した実験ではどこまでがわかり,骨と重力の関連性は地上でどのように研究されるのであろうか。
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