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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
側弯症に対する治療
高齢者腰椎変性側弯症に伴う腰痛の病態と低侵襲治療
Low back pain in the elderly degenerative lumbar scoliosis
中前 稔生
1
,
山田 清貴
2
,
安達 伸生
1
,
藤本 吉範
2
Toshio NAKAMAE
1
,
Kiyotaka YAMADA
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科,整形外科
2JA広島総合病院,整形外科
キーワード:
Degenerative lumbar scoliosis
,
Low back pain
,
Percutaneous intervertebral-vacuum polymethylmethacrylate injection(PIPI)
Keyword:
Degenerative lumbar scoliosis
,
Low back pain
,
Percutaneous intervertebral-vacuum polymethylmethacrylate injection(PIPI)
pp.559-566
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000869
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要旨:高齢者の腰椎変性側弯症に伴う腰痛は高度かつ保存療法に抵抗性であり,高齢者の生活の質を著しく低下させている。しかしながら腰椎変性側弯症における腰痛発症のメカニズムは依然として不明である。われわれは高齢者の腰椎変性側弯症を対象に横断観察研究を行い,腰痛とMRIにおける骨髄浮腫との関連について検討した。すると骨髄浮腫は腰痛患者で多く認め,側弯凹側部の椎体終板周囲に発現していた。また骨髄浮腫の広がりと腰痛の程度に正の相関を認めた。続いて,骨髄浮腫高位の椎間腔バキューム内に骨セメントを経皮的・経椎弓根的に注入する低侵襲手術(経皮的椎間腔バキューム内骨セメント注入療法;PIPI)を行った。するとPIPI直後より腰痛は劇的に改善し,腰痛の改善とともに骨髄浮腫の範囲が著明に縮小した。高齢者腰椎変性側弯症の腰痛は側弯凹側の椎体終板に加わる生体力学的ストレスであり,低侵襲治療であるPIPIを行い腰痛は改善した。
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