Japanese
English
特集 腰痛診療の深化―“標準” と “こだわり” を知り診療に生かす
変形性股関節症と腰痛
Hip osteoarthritis and low back pain
森本 忠嗣
1
,
塚本 正紹
1
,
平田 寛人
1
,
吉原 智仁
1
,
小林 孝巨
1
,
馬渡 正明
1
Tadatsugu MORIMOTO
1
1佐賀大学医学部,整形外科
キーワード:
Hip osteoarthritis
,
Low back pain
,
Hip-spine syndrome
Keyword:
Hip osteoarthritis
,
Low back pain
,
Hip-spine syndrome
pp.923-929
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002640
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要旨:変形性股関節症と腰椎変性疾患は,中高年に好発し,しばしば併発し,両疾患とも腰痛を呈するため相互の誤診例はまれではない。また,変形性股関節症による股関節の可動域制限や脚長差は隣接関節である腰椎や仙腸関節の負担を増加するために,腰痛の一因となると考えられている。こうした股関節疾患と腰椎疾患の相互関係はhip-spine syndromeとして注意喚起がなされている。そのため,腰痛の診断では,変形性股関節症の鑑別を念頭に置き,ルーチンの腰痛診断手技に股関節疾患の鑑別手技(Patrick testなど)を組み込んで股関節痛の有無を確認したり,腰椎X線撮影に股関節を含めることで股関節疾患の見逃しを予防している。画像診断ではpelvic incidence(PI)の確認が病態理解や鑑別疾患,予後予測や治療方針決定に広く用いられるようになっている。
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