Japanese
English
特集 臨床解剖学の新たな知見
膝の解剖
-―正常ACL線維束の機能解剖―
Functional anatomy of the fiber bundles of the normal anterior cruciate ligament
大坪 英則
1
,
鈴木 大輔
2
,
神谷 智昭
3
,
鈴木 智之
3
,
山下 敏彦
3
,
史野 根生
4
Hidenori OTSUBO
1
,
Daisuke SUZUKI
2
,
Tomoaki KAMIYA
3
,
Konsei SHINO
4
1札幌スポーツクリニック
2北海道千歳リハビリテーション大学
3札幌医科大学医学部,整形外科
4大阪行岡医療大学,スポーツ医学センター
キーワード:
Anterior cruciate ligament(ACL)
,
Triple-bundle
,
Anatomy
Keyword:
Anterior cruciate ligament(ACL)
,
Triple-bundle
,
Anatomy
pp.1481-1488
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000670
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要旨:近年,膝前十字靱帯(ACL)再建術では,形態的にも機能的にも正常靱帯に近い靱帯を再建するために,正常靱帯付着部に骨孔を作成し自家腱を移植固定する解剖学的再建術が行われている。われわれは,新鮮屍体膝を用いた解剖学的研究を行い,ヒト正常ACLは,前内側線維束(AM束)と後外側線維束(PL束)の2線維束に分けられ,さらにAM束は内側部分(AM-M束)と外側部分(AM-L束)に分けられ,3線維束を構成することを明らかにした。さらに,線維束の配列と断面積計測,付着部位置および面積計測,MRIによる生体内画像解析,透過型電子顕微鏡(TEM)によるコラーゲン線維の微細構造についての詳細な検討を行い,ACL 3線維束の解剖学的な特徴を明らかにした。これの結果は,各線維束が力学的に異なる役割を担っていることを示しており,靱帯再建術式の決定や移植腱の選択においては,これらの線維束構造の機能解剖学的特徴を十分に考慮すべきである。
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