Japanese
English
特集 半月板—Save the Meniscus
Ⅲ.内側半月板の治療
Ramp lesionに対する修復術
All-inside ramp lesion repair
黒河内 和俊
1
,
宮本 健太郎
1
Kazutoshi KUROKOUCHI
1
1重工記念病院,整形外科・関節鏡センター
キーワード:
Ramp lesion
,
Repair
,
Anterior cruciate ligament(ACL)
Keyword:
Ramp lesion
,
Repair
,
Anterior cruciate ligament(ACL)
pp.605-614
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001279
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要旨:Hambergらが1983年に命名した “ramp lesion” と呼ばれるMM後角付着部近傍の損傷について,最近の知見と当院で行っている鏡視下all-inside修復の実際について述べる。Ramp lesionに統一された明確な定義はないが,おおむねMM後角近傍のmeniscocapsular junctionの断裂を含む軟部組織の損傷である。ACL損傷膝に多く合併し,脛骨前方移動量と外旋量を有意に増加させ,ACL再建術のみではこれらを完全には制動できず,ramp lesion修復の追加により安定性が改善すると報告されている。MRIによるramp lesionの診断は必ずしも容易でなく,関節鏡を用いたtrans-notch approachによるintercondylar viewでの診断が必要である。当院におけるramp lesion修復は,後内側ポータルからSuture-Hook 60°を用いたall-inside法で行っている。左右の針先の向きを適宜使い分け,下腿の内外旋を加えながら,2-0ファイバーワイヤーで損傷部全長を密に確実に修復することを心がけている。諸家の報告や当院の経験でも,ramp lesion修復術の臨床成績は良好であり,修復術による明らかな合併症はなく,ACL損傷患者に対してramp lesionの有無を確認することは必須と考えられ,ramp lesionを認めたら放置することなく修復すべきである。
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