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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
1.基礎科学
IP関節の機能解剖
Functional anatomy of interphanlangeal joint
河村 健二
1
Kenji KAWAMURA
1
1奈良県立医科大学,玉井進記念四肢外傷センター
キーワード:
Anatomy
,
Interphanlangeal joint
,
Function
Keyword:
Anatomy
,
Interphanlangeal joint
,
Function
pp.467-473
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000434
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要旨:IP関節は一軸性の蝶番関節であるが,相対する関節面の曲率半径が異なるために,回転運動に滑り運動が加わった複合運動を行う。DIP関節においては,末節骨底の尺側の曲率半径が橈側よりも大きいために屈曲時にわずかに回内する。関節の接触面積は伸展時において最も小さく屈曲に伴い増大し,単位面積あたりにかかる圧はDIP関節が最も大きい。関節の側方安定性は,伸展位では側副靱帯掌側成分と副靱帯遠位成分が関与しており,屈曲位では側副靱帯背側成分が関与している。掌側板は関節過伸展防止機構であるが,PIP関節においては,DIP関節には存在しない手綱靱帯の働きで運動時に位置と形を変えることで関節の潤滑にも作用している。DIP関節の方がPIP関節に比して変形性関節症を生じやすいのは,関節面の形状,運動時にかかる圧力,掌側板の機能の相違が原因と推測できる。
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