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特集 広範囲腱板断裂に対する鏡視下手術
腱板断裂の解剖学的知見
Anatomical knowledge in rotator cuff tears
新井 隆三
1
Ryuzo ARAI
1
1京都桂病院,整形外科
キーワード:
Anatomy
,
Rotator cuff
,
Capsule
Keyword:
Anatomy
,
Rotator cuff
,
Capsule
pp.1001-1006
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003085
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要旨:従来腱板はその構成筋起始部の筋腹を延長した部位に並んで上腕骨へ停止すると考えられていた。しかしMochizukiらの研究以降,こと棘下筋が後方から回り込んで大結節の多くの部分を占めるように付着していることが意識されるようになった。さらにNimuraらは大結節には腱組織だけでなく関節包が相当の領域に付着していることを明らかにし,腱板停止部への力学的負荷は両者が相補的に負っている可能性,さらにはdelaminationをきたした症例で深層を修復する意義を示した。関節包にはrotator cableが認められる。Rotator cableが前後の腱板張力を伝達すると考える向きもあるが,解剖組織学的構造からそのような機能は考えにくい。研究で証明されたというrotator cableの機能はcable両端の腱が果たしていると思われる機能をも包含していることが多いので,よく研究内容を吟味することが必要である。
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