Japanese
English
特集 臨床解剖学の新たな知見
股関節の解剖
Anatomy of hip joint
伊藤 芳章
1
,
松下 功
2
Yoshiaki ITO
1
,
Isao MATSUSHITA
2
1独立行政法人労働者健康安全機構 富山労災病院,整形外科
2富山大学大学院医学薬学研究部(医学),整形外科・運動器病学講座
キーワード:
Total hip arthroplasty
,
Short external rotator muscles
,
Joint capsule
Keyword:
Total hip arthroplasty
,
Short external rotator muscles
,
Joint capsule
pp.1473-1480
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000669
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要旨:人工股関節置換術(total hip arthroplasty;THA)の合併症の一つに脱臼がある。後方軟部組織の温存により脱臼抵抗性を高めることが期待できるが,それぞれの筋腱・関節包の大腿骨付着部を熟知していなければ手術時操作で損傷してしまう可能性がある。大腿骨大転子内側面において,内閉鎖筋と上・下双子筋の付着部は接しておりconjoined tendonを形成し,短外旋筋郡の中では最も前方に付着していた。梨状筋はconjoined tendon付着部より後上方の大転子頂部近くに付着していた。外閉鎖筋はconjoined tendon付着部と接することなく,その後下方にある骨性のくぼみに単独で付着していた。関節包はconjoined tendon付着部と外閉鎖筋付着部に近接して付着しており,前方が厚く,後方の外閉鎖筋付着部近くでは薄い膜状になっていた。股関節屈曲時における筋の走行や作用からは短外旋筋郡の中では外閉鎖筋が最も内旋制動性を有すると考えられる。また,static stabilizerとして関節包は重要であり,できるだけ温存,修復を行うべきである。
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