Japanese
English
特集 臨床解剖学の新たな知見
脊椎の解剖
-―腰神経と黄色靱帯を中心に―
Anatomy of spine, lumbar plexus and ligamentum flavum
東野 恒作
1
,
眞鍋 裕昭
2
,
林 二三男
2
,
鶴尾 吉宏
3
,
冨田 江一
4
,
西良 浩一
2
Kosaku HIGASHINO
1
,
Hiroaki MANABE
2
,
Yoshihiro TSURUO
3
,
Koichi TOMITA
4
1四国こどもとおとなの医療センター,整形外科
2徳島大学医学部大学院,運動機能外科学
3同上,顕微解剖学
4同上,機能解剖学
キーワード:
Anatomy
,
Lumbar plexus
,
Ligamentum flavum
Keyword:
Anatomy
,
Lumbar plexus
,
Ligamentum flavum
pp.1439-1447
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000665
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要旨:通常の手術は危険な部位を展開せずにアプローチすることが推奨される。低侵襲化手術ではさらに周囲組織,臓器を確認困難な状況で術野を確保しなければならない。各分野,正常解剖を再学習する機会は乏しく解剖書においてもすべてを網羅することは困難である。臨床解剖では手術アプローチでは展開できない部位を観察でき,各臓器との関連性などを検証することができる。腰神経叢は解剖書では主な神経しか説明されていないが,実際の解剖を行うと多数の神経線維のネットワークを確認することができる。腰椎の前方および側方からの手術の際には注意すべき点である。また黄色靱帯は画一的に上下椎弓に付着しているのではなく,腰椎ではより背側に肥厚し関節を覆っているのがわかる。バイオメカニクスの過去の研究からは前屈への安定性に寄与していると報告されている。基本成分としてエラスチンの含有が他の組織に比較し多いが,加齢とともに軟骨化生を生じており弾力性を消失していると推測できる。一例ではあるが手術を行う際は,解剖および機能的な側面を考慮し施行するべきと考える。
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