創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
上腕骨近位端骨折(Ⅱ) ロッキングプレートを用いた骨接合術
小池 洋一
1
1仙台赤十字病院,整形外科
キーワード:
Proximal humeral fracture
,
Internal fixation
,
Plate fixation
Keyword:
Proximal humeral fracture
,
Internal fixation
,
Plate fixation
pp.1305-1310
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000155
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上腕骨近位端骨折に対するロッキングプレートを用いた骨接合術について述べた。展開はdeltoid-splitting lateral approachを用いている。展開の際は腋窩神経周囲の三角筋が剝離しないよう,腋窩神経の頭尾側にstay-suture をかけ神経損傷を回避することが重要である。プレートを設置する前に,転位した骨片を可能な限り整復しておく必要がある。骨片の整復に際しては,腱板にstay-suture をかけて大結節の整復操作や骨片同士の仮固定に利用する。プレートは直視下,透視下に設置する位置を確認する。プレートの頂点が大結節頂点から5〜8 mm 程度遠位にあり,プレートの前縁が結節間溝の2〜4 mm程度後ろにある,が目安となる。スクリュー挿入の際には多方向から透視で確認し,スクリューが骨頭軟骨を穿破しないよう細心の注意を払う。骨片の固定性に不安がある際には,腱板付着部に非吸収糸をかけてプレートと締結し補強を行う。
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