肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 上腕骨近位部骨折 ロッキングプレートを用いた上腕骨近位端骨折の治療成績
前岡 勇人
1
,
岡田 正人
,
廣村 健太郎
,
富所 潤
,
赤川 誠
,
松本 忠美
1金沢医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
内固定法
,
骨ねじ
,
骨板
,
上腕骨骨折
,
最小侵襲手術
,
治療成績
Keyword:
Bone Plates
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Humeral Fractures
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.106-111
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097699
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当科では上腕骨近位端骨折に対して2004年2月以降Locking Humeral Spoon Plate(LHSP;Synthes社)を使用し、2006年9月以降はLHSPの改良版であるProximal Humeral Internal Locking System(PHILOS)を使用してきた。今回、LHSPを使用した群(11例)とPHILOSを使用した群(14例)の治療成績を比較検討した。評価項目は「術直後と最終観察時における頸体角の変化量」「上腕骨頭骨片の固定に使用したスクリューの数」「最終観察時のX線像で骨頭を穿孔していたスクリューの数」「最終観察時のJOAスコア」などとした。検討の結果、頸体角の変化量はLHSP群が最終観察時に平均11°減少、PHILOS群が平均5°減少しており、有意な群間差はなかった。骨頭骨片の固定に使用したスクリュー数はLHSP群が平均4.6本、PHILOS群が平均7.0本で、PHILOS群のほうが平均2.4本多かったが、最終観察時にスクリューが骨頭穿孔していた数はLHSP群4本、PHILOS群8本で有意な群間差はなかった。最終観察時のJOAスコアはLHSP群が平均70.4点、PHILOS群が平均81.4点であり、PHILOS群のほうが有意に高かった。代表例としてLHSP群の1例とPHILOS群の2例を提示した。
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