創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
上腕骨近位端骨折(Ⅰ) 髄内釘固定の手術適応と手技
水掫 貴満
1
,
仲川 喜之
1
,
澤井 孝一
1
1宇陀市立病院,整形外科/奈良肩・肘センター
キーワード:
Proximal humeral fracture
,
Intramedullary nail
,
Surgical treatment
Keyword:
Proximal humeral fracture
,
Intramedullary nail
,
Surgical treatment
pp.1297-1303
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000154
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上腕骨近位端骨折の手術目的は早期に骨折部の安定性を獲得し,機能障害や疼痛の原因となる偽関節,変形治癒を予防することである。手術適応は患者の全身状態,社会的背景,骨折型などで決定される。近年,超高齢者の骨折が激増しており,特に体幹および下肢の機能障害を有する超高齢者の上肢機能を再獲得することは,ADL や介護の面で非常に重要である。各種手術方法が報告されているが,いずれの手術法にも一長一短があり,症例に応じた最適の手術法が選択されるべきである。上腕骨近位端骨折のうち,現在主流とされている順行性横止め髄内釘固定やロッキングプレートで対処困難と思われる症例に対するエンダー釘・軟鋼線固定法の手術適応と手技について述べ,本法の回旋不安定性を強化するため,Jacob 法に準じスクリュー固定を追加した改良法の手術適応と手技について述べた。
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