創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
反転型肩人工関節の短期成績
相澤 利武
1
,
松澤 岳
1
,
菅野 敦子
2
1いわき市立総合磐城共立病院,整形外科
2福島労災病院,整形外科
キーワード:
Reverse shoulder arthroplasty
,
Cuff tear arthropathy
,
Rotator cuff tear
Keyword:
Reverse shoulder arthroplasty
,
Cuff tear arthropathy
,
Rotator cuff tear
pp.1209-1281
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000143
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2014 年以降当科で行った反転型肩人工関節手術は93 例であった。手術時平均年齢は76.8歳であった。性別は男性36 例,女性57 例であり,患側は右62 例,左31 例であった。その対象疾患は,腱板断裂性関節症が68.8%であった。手術の侵入法は,三角筋に侵襲を加えないため全例deltopectoral approach で行った。使用した機種はTornier 社製AequalisReversedが61 例と2/3 を占め,その他3 種類を使用した。臨床成績は,JOA scoreは,合計点では術前48.4点から術後82.0点へ改善し,80 点以上が62%を占めていた。疼痛は9.7点から23.0点へ改善していた。自動可動域は,屈曲は66.9°から133.6°と改善していたが,外旋は16.8°から19.7°と変化はなく,内旋も変化はなかった。自動屈曲は術後3 カ月には130°近くに達し最終観察時まで維持されていた。術後患側上肢のしびれが6 例にみられ,脱臼は2 例に生じた。X 線像上scapular notchingは3例,遅発性肩峰骨折を4 例に認めたが,最終的な成績には問題はなかった。
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