Japanese
English
特集 α線,β線治療:基礎から臨床への創薬プロセス
はじめに
Foreword
久下 裕司
1
,
東 達也
2
Yuji Kuge
1
,
Tatuya Higashi
2
1北海道大学アイソトープ総合センター 応用分子画像科学分野
2量⼦科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部
1Central Institute of Isotope Science Hokkaido University
2Department of Molecular Imaging and Theranostics National Institute of Radiological Sciences
キーワード:
核医学治療
,
ラジオセラノスティクス
,
光・放射免疫療法
Keyword:
核医学治療
,
ラジオセラノスティクス
,
光・放射免疫療法
pp.983-984
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001353
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- Abstract 文献概要
α線放出核種であるRa-223を用いた治療用放射性医薬品,ゾーフィゴ®が上市されたことなどから,核医学治療への関心が高まっている。ゾーフィゴ®は,放射性医薬品として初のブロックバスター(新市場の開拓により利益を生み出す画期的新薬)といわれている。α線放出核種であるAt-211,Ac-225,β線放出核種であるLu-177,オージエ電子放出核種Cu-64など,これまでとは異なる放射性核種の核医学治療への応用のための基礎・臨床研究,治験なども積極的に進められている。また,I-123/I-131の組み合わせによる甲状腺疾患の診断と治療,In-111/Y-90標識ゼバリンの組み合わせによるB細胞性非ホジキンリンパ腫の診断と治療のように,核医学の特徴である『診断と治療の組み合わせ(融合)』による個別化医療の実現が,セラノスティクス(theranostics:therapeuticsとdiagnosticsを合わせた造語)あるいはラジオセラノスティクスという呼び名で注目され,種々の放射性核種を用いた研究が行われている。このように,核医学治療を中心とした核医学研究・診療が今後も広がっていくものと期待されている。
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