Japanese
English
特集 Theranosticsによる個別化医療の未来
はじめに
Foreword
畑澤 順
1
,
細野 眞
2
Jun Hatazawa
1
,
Makoto Hosono
2
1大阪大学 核物理研究センター
2近畿大学医学部 放射線医学教室
1Research Center for Nuclear Physics Osaka University
2Department of Radiology Kindai University Faculty of Medicine
キーワード:
核医学セラノスティクス
,
theranostics
,
核医学機能画像診断
,
核医学治療
Keyword:
核医学セラノスティクス
,
theranostics
,
核医学機能画像診断
,
核医学治療
pp.1495-1495
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001083
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- Abstract 文献概要
核医学は今,大きな変化の時期を迎えようとしている。CTやMRによる形態画像診断に加え,核医学機能画像診断と放射性同位元素による治療が一体となった診療(核医学セラノスティクス,Nuclear Medicine Theranostics)が発展しつつある。利用する放射性核種の多様化(β線核種I-131,Sr-89,Y-90,Lu-177,α線核種Ra-223,Ac-225,At-211),疾患特異的な分子の発見と応用(前立腺癌に対するPSMA,神経内分泌腫瘍に対するDOTATATE,ペプチド受容体,がん特異的アミノ酸輸送システム),CTやMRを備えたPET・SPECT装置の飛躍的な進歩が基盤になっている。核医学セラノスティクスは,厚生労働省の第3期がん対策推進基本計画,「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」の指定要件に盛り込まれ,内閣府原子力委員会の原子力白書(平成29年度版)で初めて「医療・医学分野の放射線利用」のひとつとして取り上げられ,大きな期待が寄せられている。一方,患者ごとの投与量の最適化,放射性同位元素の製造と供給体制の整備,廃棄物処理の整備,医療機関における安全管理体制の整備などの課題があり,これらを解決するための努力が続けられている。
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