特集 鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア手術を極める―直達手術から腹腔鏡・ロボット支援手術まで
Ⅱ.鼠径部ヘルニア 13)ロボット支援鼠径部ヘルニア修復術
岡本 信彦
1
,
若林 剛
1
1上尾中央総合病院外科
キーワード:
ロボット支援鼠径部ヘルニア修復術
,
多関節
,
自費診療
Keyword:
ロボット支援鼠径部ヘルニア修復術
,
多関節
,
自費診療
pp.1299-1305
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003988
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ロボット支援鼠径部ヘルニア修復術(robotic-assisted transabdominal preperitoneal approach;R-TAPP)は,2007年にFinleyらによって最初に報告された1)。ロボット支援手術の普及とともに,全世界でR-TAPPの手術数が増加している。ミシガン州のデータによると,鼠径部ヘルニア手術におけるR-TAPPの割合は,2012年の0.7%から2018年には28.8%に増加しており,他の消化器外科手術よりも増加率が高くなっている。これは,多くの外科医がロボット支援手術は鼠径部ヘルニアに適していると考えている可能性を示唆する2)。わが国では,消化器外科領域で2018年に胃癌切除,直腸癌切除,食道癌切除のロボット支援手術が保険収載され,その後悪性腫瘍手術を中心に各臓器へ広がっているが,鼠径部ヘルニア修復術ではいまだ自費診療で行われている。わが国初のR-TAPPは2016年に当院で行われ3),その後,徐々に手術症例が増加している。
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