Ⅲ．腹壁瘢痕ヘルニア 1）腹壁ヘルニアの解剖・分類

腹壁（瘢痕）ヘルニアは，外科医にとって診療する頻度の高い疾患であるが，腹壁の解剖を学ぶ機会は十分とはいえず，また，その分類に関しても日本ヘルニア学会においてはEHS（Europe Hernia Society）分類を用いることが決定したが，十分に認識されていないのが現状である。本稿では腹壁（瘢痕）ヘルニアに関して，診断・治療の際に知っておくべき腹壁の解剖と，分類についてのべる。