特集 鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア手術を極める―直達手術から腹腔鏡・ロボット支援手術まで
Ⅱ.鼠径部ヘルニア 1)鼠径部ヘルニアの解剖・分類
宮坂 衛
1
,
川原田 陽
1
1国家公務員共済組合連合会 斗南病院外科
キーワード:
鼠径部ヘルニア
,
解剖
,
鼠径部ヘルニア分類
Keyword:
鼠径部ヘルニア
,
解剖
,
鼠径部ヘルニア分類
pp.1187-1196
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003976
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鼠径部ヘルニアは外ヘルニアの代表で,腹部ヘルニアの80~90%を占める頻度の高い疾患である。鼠径部ヘルニアの治療は原則手術療法であり,厚生労働省の統計によると日本では年間約15万人の患者が手術を受けていると考えられ,若手外科医が執刀を行うことも多い1)。手術ではヘルニア門を,何らかの方法で塞ぐ必要がある。従来は筋肉を縫い合わせて補強する手術が行われていたが,現在は人工物(メッシュ)を用いて修復する手術が一般的である。そのため鼠径部ヘルニア手術において,「ヘルニアの発生部位およびメッシュ等で確実に閉鎖・補強すべき範囲」と「損傷してはいけない構造物(血管・神経など)の存在位置」の解剖理解が非常に重要である。
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