特集 上部消化管良性疾患に対する低侵襲治療戦略
食道アカラシアに対する腹腔鏡手術の現況
菊池 寛利
1
,
坊岡 英祐
1
,
村上 智洋
1
,
松本 知拓
1
,
平松 良浩
1
,
竹内 裕也
1
1浜松医科大学外科学第二講座
キーワード:
Heller-Dor
,
筋層切開
,
噴門形成
Keyword:
Heller-Dor
,
筋層切開
,
噴門形成
pp.1333-1338
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003462
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食道アカラシアは,下部食道括約筋(lower esophageal sphincter;LES)の弛緩不全と食道の蠕動運動障害が主体の食道運動機能障害であり,つかえ感や胸痛,口腔内への逆流などが主な症状である1)。食道造影検査の所見によって,拡張度と拡張型を評価する。拡張度はⅠ度(3.5 cm未満),Ⅱ度(3.5以上6 cm未満),Ⅲ度(6 cm以上)に,拡張型は直線型(St型),シグモイド型(Sg型),進行シグモイド型(aSg型)に分類される1)。高解像度食道内圧検査(high-resolution manometry;HRM)が食道運動異常症の鑑別診断に有用であり,アカラシアは食道体部蠕動障害のパターンによりTypeⅠ(蠕動波の完全消失),TypeⅡ(全食道の内腔圧上昇20%以上),TypeⅢ〔20%以上の未熟収縮(遠位潜時4.5秒未満)〕に分類される2)。
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