特集 消化器外科における周術期栄養療法
Ⅱ.各論 2)食道外科(食道癌手術)における周術期栄養療法
羽田 綾馬
1
,
坊岡 英祐
1
,
松本 知拓
1
,
菊池 寛利
1
,
平松 良浩
1
,
竹内 裕也
1
1浜松医科大学医学部外科学第二講座
キーワード:
食道癌
,
経腸栄養療法
,
周術期チーム
Keyword:
食道癌
,
経腸栄養療法
,
周術期チーム
pp.769-774
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004415
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食道癌はがん死のうち6番目に死亡率の高い予後不良な癌である。食道癌の治療は化学療法,放射線治療,外科手術などを組み合わせた集学的治療が推奨されている1, 2)。食道癌の患者には長期喫煙者や大量飲酒者,腫瘍による通過障害のため食事がとれず低栄養状態の患者,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)など,呼吸機能の低下した患者が含まれ,栄養学的リスクを有していることが多い。集学的治療として化学療法や放射線療法が施行された場合,有害事象により手術時には身体活動性が低下していることが想定される。さらに,食道癌に対する標準術式は食道亜全摘術であり,頸部・胸部・腹部の3領域を操作するため手術侵襲は大きく,術後合併症も他の消化器外科手術と比べ高率に発症する。

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