特集 上部消化管良性疾患に対する低侵襲治療戦略
食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋層切開術のコツ
川久保 博文
1
,
竹内 優志
1
,
松田 諭
1
,
正岡 建洋
1
,
中村 理恵子
1
,
北川 雄光
1
1慶應義塾大学医学部一般・消化器外科
キーワード:
POEM
,
食道アカラシア
,
内視鏡治療
Keyword:
POEM
,
食道アカラシア
,
内視鏡治療
pp.1339-1343
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003463
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食道アカラシアは食道の蠕動障害と下部食道括約筋(lower esophageal sphincter;LES)の弛緩不全により,食道から胃への食物の通過障害をきたす疾患である。食道アカラシアに対する治療として,従来までは薬物療法,ボツリヌス毒素注入法,バルーン拡張術,外科筋層切開手術(腹腔鏡下Heller-Dor法)を施行するのが一般的であった。2008年にInoueら1)が開発した経口内視鏡的食道筋層切開術(per-oral endoscopic myotomy;POEM)は経口内視鏡のみで外科手術のHeller筋層切開術を施行する手技で,食道内腔からアプローチするため体表に傷を付けずに治療できる新しい低侵襲治療である(図1)。2016年4月から保険収載され,国内外で急速に普及し,食道アカラシアに対する標準治療となりつつある。
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