手術手技
Rectoceleに対する会陰体縫合による肛門括約筋形成術
村山 浩之
1
,
齋藤 徹
2
,
小野 朋二郎
2
,
家田 淳司
3
1村山会 むらやま大腸肛門クリニック
2伯鳳会 大阪中央病院肛門外科
3胃腸肛門科 家田医院
キーワード:
直腸瘤
,
会陰体
,
肛門括約筋形成術
Keyword:
直腸瘤
,
会陰体
,
肛門括約筋形成術
pp.1097-1112
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002845
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Rectocele(直腸瘤)は直腸腟中隔組織の脆弱化により直腸下部が腟側へ脱出するものであり,女性特有の病態といってもよい。かつては“直腸腟壁弛緩症”と言われ,その後“直腸瘤”と訳されるようになった。女性の場合,rectoceleの原因の1つとされる妊娠・出産があるが,必ずしも経産婦だけでなく,慢性便秘や加齢,先天的な脆弱性(会陰体形成不全など)でも発症する。また,解剖学的に男性は直腸下部前方に前立腺があるためrectoceleになりにくく,女性は直腸腟中隔が薄いため発生しやすいと考えられる。症状は会陰・腟方向への膨隆があり,便秘や排便困難などの便通異常がほとんどである。さらに残便感症状のある患者が多いため,慢性的な息みを繰り返すようになり,直腸重積や直腸粘膜脱,直腸脱なども合併するようになる。
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