特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
肝胆膵外科 15 ALPPS手術の意義 有りの立場から
阪本 良弘
1
,
松木 亮太
1
,
小暮 正晴
1
,
中里 徹矢
1
,
森 俊幸
1
1杏林大学医学部付属病院肝胆膵外科
キーワード:
門脈塞栓術
,
ALPPS
,
肝再生
Keyword:
門脈塞栓術
,
ALPPS
,
肝再生
pp.610-617
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001646
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2012年にドイツから報告され,欧州で盛んに行われているALPPS(associating liver partition and portal occlusion for staged hepatectomy)は門脈の結紮と肝離断を先行させる二期的肝切除である1)。一期目手術後の肝再生の速度は門脈塞栓術(portal vein embolization;PVE)の4倍だが,術後の肝不全発生割合が高く,在院死亡率は肝転移の切除で8%,胆道癌の切除では30%を超えている2)。したがって,ALPPS原法をそのままわが国に導入することは難しいが,肝再生の速度が速いことが待機期間の短縮や切除率の向上に結びつく可能性があり,原法の問題点を改善して安全に施行できれば適応を限定して利用する意義があると考えられる。
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