外科におけるcontroversy-誌上ディベート
残肝容量不足の解決法 門脈塞栓術かALPPSか? ALPPS
田中 邦哉
1
,
笠原 康平
,
菊地 祐一郎
,
川口 大輔
,
村上 崇
,
廣島 幸彦
,
松尾 憲一
1帝京大学ちば総合医療センター 外科(肝胆膵外科部門)
キーワード:
肝再生
,
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
塞栓術
,
門脈
,
治療成績
Keyword:
Embolization, Therapeutic
,
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Liver Regeneration
,
Portal Vein
,
Treatment Outcome
pp.427-431
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017258591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大量肝切除の際の残存肝(FLR)容量の維持を目的としたALPPS手術の有用性を検証した.報告当初より明らかなようにALPPSでは早期のFLRの増大が得られ,実測での容量増大のみならず,全肝に対するFLR比率の増大,あるいは再生速度(KGR)ともにALPPSでは優れていた.当初懸念されていた高い合併症率あるいは術死率も最近では劇的に改善されており,長期成績も門脈塞栓術併用による多段階手術とほぼ同等であった.以上より,進行例に対する安全な切除適応拡大のためにALPPS手術は必須な手技と考えられた.
©Nankodo Co., Ltd., 2017