門脈枝塞栓術・結紮術のすべて
新たな二期的肝切除-ALPPSについて
阪本 良弘
1
,
山下 俊
,
山本 訓史
,
長谷川 潔
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
肝再生
,
肝切除
,
肝臓腫瘍
,
塞栓術
,
門脈
Keyword:
Embolization, Therapeutic
,
Hepatectomy
,
Liver Neoplasms
,
Liver Regeneration
,
Portal Vein
pp.909-915
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015292132
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近年欧州の一部の施設を中心に新たな二期的肝切除が盛んに行われ,その効果や安全性が熱心に議論されている.この術式はAssociated Liver Partition and Portal vein ligation for Staged hepatectomy(ALPPS)と呼ばれ,従来の門脈枝塞栓術を併用した一期的あるいは二期的肝切除に比較して肝再生速度が速く,二期切除までの期間が1週間~10日程度であるのが特徴である.ドイツを中心に行われた7施設共同試験の結果では,25例のALPPS手術で9病日での肝増加率が74%と高率であるが,合併症割合が68%で手術死亡率も12%と高率であり,その適応については十分な検討が必要である.初期の成績を省みてさまざまなALPPS変法が報告されており,肝再生の促進の理由の解明も含めて今後の動向が非常に注目される.
©Nankodo Co., Ltd., 2015