手術手技
Soft pancreas,主膵管非拡張症例に対する陥入法(invagination technique)による簡便な膵腸吻合
千田 嘉毅
1
,
清水 泰博
1
,
夏目 誠治
1
,
奥野 正隆
1
,
伊藤 誠二
1
,
小森 康司
1
1愛知県がんセンター中央病院消化器外科
キーワード:
陥入法
,
soft pancreas
,
膵頭十二指腸切除
Keyword:
陥入法
,
soft pancreas
,
膵頭十二指腸切除
pp.1113-1118
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001272
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膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy;PD)における術後膵液漏(postoperative pancreatic fistula;POPF)は現在でも最も憂慮すべき合併症である。わが国ではPD後の膵腸吻合法としては膵管-空腸粘膜吻合法(以下,粘膜吻合法)が広く普及ししており,近年では術後膵液漏発生率は以前と比較して良好な成績が報告されている1)。しかし,粘膜吻合法はsoft pancreasや膵管非拡張症例においては,高度な技術が求められ,その習得には熟練を要するため,すべての施設で良好な成績が得られるわけではない。これに対して陥入法による膵腸吻合の報告は少なく,わが国ではあまり一般的ではないが,海外のhigh volume centerでは陥入法を用いる施設も少なくない2-4)。また,陥入法はその手技が単純で,習得も比較的容易である。当科では1964年の開院以来,粘膜吻合法を基本術式としてきたが,soft pancreasや膵管非拡張症例における術後膵液漏の成績は満足できるものではなかったため,現在ではこれらの症例には陥入法による再建を行っている。
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