特集 直腸癌に対する経肛門アプローチのすべて
Ⅰ.総論 2)Ta(p)TMEに必要な肛門管外科解剖
岡田 倫明
1
,
中村 達郎
1
,
肥田 侯矢
1
,
河田 健二
1
,
篠原 尚
2
,
坂井 義治
1
1京都大学消化管外科
2兵庫医科大学上部消化管外科
キーワード:
TaTME
,
肛門管解剖
,
直腸癌
Keyword:
TaTME
,
肛門管解剖
,
直腸癌
pp.1587-1596
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000402
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近年,低位直腸癌に対する新しいアプローチ方法としてtransanal(perineal)total mesorectal excision;Ta(p)TMEが注目を集めている。この術式のメリットは腹腔内から到達することが難しい,狭骨盤や肥満,巨大腫瘍でも骨盤底の安定した手術操作が可能なことである1)。そして,トンネル工事に似た暗くて狭い術野での括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection;ISR)や腹会陰式直腸切除術(abdominoperineal resection of rectum;APR)の肛門操作に,明るく精細な視野と術野の共有をもたらしたことは,Ta(p)TMEの最大の恩恵ではないかと考えている。
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