特集 直腸癌に対する経肛門アプローチのすべて
Ⅰ.総論 1)経肛門アプローチの適応と変遷
金子 学
1
,
田中 敏明
1
,
野澤 宏彰
1
,
渡邉 聡明
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
直腸癌
,
潰瘍性大腸炎
,
経肛門アプローチ
Keyword:
直腸癌
,
潰瘍性大腸炎
,
経肛門アプローチ
pp.1581-1585
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000401
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直腸癌に対する手術は,直腸癌の基礎的な研究を通した病気の本態に対する深い理解と手術手技・手術機器の発展により継続的に進歩し,腫瘍学的なoutcomeと患者の生活の質(quality of life;QOL)の両者を改善させてきた(表1)。直腸癌に対する根治切除術は,1907年にMilesによりはじめて行われ,その後,1921年にHartmann手術,1948年に腸管吻合を伴う前方切除術が発表された。1982年,total mesorectal excision(TME)の有用性がHealdによりはじめて報告され,1970年代後半まで50%以下であった直腸癌術後の5年無病生存率はTMEにより80%まで上昇した1)。
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