特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─結腸・直腸
腹腔鏡下側方郭清術に必要な局所解剖
河田 健二
1
,
山本 高正
1
,
星野 伸晃
1
,
岡田 倫明
1
,
板谷 喜朗
1
,
肥田 侯矢
1
1京都大学医学部附属病院消化管外科
キーワード:
直腸癌
,
腹腔鏡下側方郭清術
,
ナビゲーション
Keyword:
直腸癌
,
腹腔鏡下側方郭清術
,
ナビゲーション
pp.1837-1848
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001975
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直腸癌において側方リンパ流は主要な転移経路の1つであり,大腸癌治療ガイドライン1)においては「腫瘍下縁が腹膜反転部より肛門側にあり,壁深達度がcT3以深の症例」を側方郭清の適応基準としており,その適応における転移頻度は約20%とされている。予防的側方郭清に関しては,JCOG0212試験の結果からcStageⅡ/Ⅲの下部直腸癌の無再発生存率において側方郭清+直腸間膜全切除に対する直腸間膜全切除の非劣性は証明できなかった2)が,リンパ節サイズ(10 mm以上)の適格基準についての議論の余地もあり,その意義はいまだ確立していない。当科ではいわゆる予防的側方郭清は行わずに,MRI検査で短径5 mm以上に腫大した側方リンパ節を有する症例に対し,腫大側の側方郭清を行うという治療方針をとっている3)。
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