Japanese
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特集 悪性上皮系腫瘍
ボリコナゾールの長期内服によって生じた多発日光角化症・有棘細胞癌の1例
Multiple actinic keratosis and squamous cell carcinoma due to the long-term use of voriconazole
佐々木 克仁
1
,
本田 理恵
1
,
伊藤 周作
1
Katsuhito SASAKI
1
,
Rie HONDA
1
,
Shusaku ITO
1
1日立総合病院,皮膚科(主任:伊藤周作主任医長)
キーワード:
ボリコナゾール
,
長期内服
,
日光角化症
,
有棘細胞癌
,
光毒性反応
Keyword:
ボリコナゾール
,
長期内服
,
日光角化症
,
有棘細胞癌
,
光毒性反応
pp.1767-1770
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004892
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73歳,男性。肺アスペルギルス症に対しボリコナゾールの長期投与中であった。ボリコナゾールの内服開始後,1年で頭部や前腕などの露光部に紅斑・びらんが出現し,12年後には左前腕,左手背に角化性結節が出現した。病理組織学的に,結節部は有棘細胞癌と診断し,その周囲には日光角化症の所見を伴っていた。ボリコナゾールによる多発日光角化症から生じた有棘細胞癌と考え,内服を中止した。その後2カ月で,多発するびらんは消失し,角化性紅斑は減少した。日光角化症が多発する例では,薬剤歴を確認することが重要である。皮膚科医はボリコナゾールの皮膚への副作用を熟知し,周知する必要がある。
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