Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
ボリコナゾール長期内服患者に生じた多発性有棘細胞癌
Multiple Squamous Cell Carcinoma Associated with a Long-term Voriconazole Therapy
石川 貴裕
1
,
西澤 綾
1
,
市川 雅子
2
,
佐藤 貴浩
1
Takahiro ISHIKAWA
1
,
Aya NISHIZAWA
1
,
Masako ICHIKAWA
2
,
Takahiro SATOH
1
1防衛医科大学校,皮膚科(主任:佐藤貴浩教授)
2ベトレヘムの園病院,皮膚科
キーワード:
ボリコナゾール
,
有棘細胞癌
,
光線過敏症
,
CYP
,
N-oxide
Keyword:
ボリコナゾール
,
有棘細胞癌
,
光線過敏症
,
CYP
,
N-oxide
pp.305-308
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000609
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68歳,男性。肺アスペルギルス症のため8年前よりボリコナゾールを内服していた。内服1年後より顔面,前胸部,前腕,手背の露光部に限局した紅斑が出現していたが,無治療で1年後に症状は消失した。しかしその後黒色結節が多発した。2年前より,下口唇および右下顎角部に有痛性の結節が出現し増大した。病理組織はいずれも有棘細胞癌であった。黒色結節は日光角化症であった。UVA,UVB光線テスト陰性。ボリコナゾール内服中に生じた多発性有棘細胞癌と診断した。下口唇および右下顎角部結節部に対して切除+全層植皮術+顎下部リンパ節郭清術を施行し,残存病変にイミキモド外用,イトラコナゾール内服へ変更した。ボリコナゾールによる有棘細胞癌の発症リスクについて,医師は十分に認識しておく必要がある。
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