Japanese
English
症例報告
ボリコナゾール長期内服中に生じた多発性日光角化症の1例
A case of multiple solar keratoses developed during long-term oral administration of voriconazole
加藤 和夏
1
,
青笹 尚彦
1
,
杉森 彩香
1
,
向川 早紀
1
,
角田 麻衣子
1
,
小原 明希
1
,
播摩 瑤子
1
,
野々垣 彰
1
,
玉木 毅
1
Aika KATO
1
,
Naohiko AOZASA
1
,
Ayaka SUGIMORI
1
,
Saki MUKOGAWA
1
,
Maiko TSUNODA
1
,
Aki KOHARA
1
,
Yoko HARIMA
1
,
Akira NONOGAKI
1
,
Takeshi TAMAKI
1
1国立国際医療研究センター病院皮膚科
1Division of Dermatology, Center Hospital of the National Center for Global Health and Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
ボリコナゾール
,
日光角化症
,
光毒性
,
光線過敏
Keyword:
ボリコナゾール
,
日光角化症
,
光毒性
,
光線過敏
pp.113-116
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206574
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要約 48歳,男性.初診7年前から慢性進行性アスペルギルス症に対してボリコナゾール(ブイフェンド®)を内服していた.内服開始2年後に顕著な日光過敏を自覚し,その後顔面,上肢の露光部に色素沈着が出現,さらに黒褐色斑が多発するようになった.初診時,手背に複数の白色角化性病変を認め,その1つを生検した.病理組織では核異型を有する基底細胞が表皮基底層に密に配列しており,日光角化症と診断した.ボリコナゾール内服を中止し,残存する角化性病変に対してイミキモドクリームの外用を開始した.近年ボリコナゾールの光線過敏症と長期内服による皮膚癌の発症が報告されている.光線過敏症から発癌までの過程は段階的に進む可能性があり,皮膚科医はこれを認識し,本剤の使用頻度が高い診療科との連携や,患者への指導を行うことなどで,予防,早期診断および治療につなげることが大切である.
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