Japanese
English
症例報告
ボリコナゾール長期内服歴を有する患者に発症した多発性有棘細胞癌の1例
A case of multiple cutaneous squamous cell carcinomas associated with prolonged voriconazole therapy
岡﨑 大二郎
1
,
根岸 麻有子
1
Daijiro OKAZAKI
1
,
Mayuko NEGISHI
1
1千葉市立青葉病院皮膚科
1Division of Dermatology, Chiba Aoba Municipal Hospital, Chiba, Japan
キーワード:
ボリコナゾール
,
有棘細胞癌
Keyword:
ボリコナゾール
,
有棘細胞癌
pp.427-432
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207015
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要約 60歳,男性.初診5年5か月前に急性骨髄性白血病に対し骨髄移植を施行し,真菌感染症予防目的にボリコナゾール(VRCZ)内服を開始した.その後,光線過敏様症状が出現し,内服1年8か月後にVRCZを中止した.初診2か月前から左こめかみに紅色結節が出現し徐々に増大傾向あり当科を受診した.左こめかみに16×14 mm大の紅色結節があるほか,左こめかみ〜左頰に数mm大の紅色結節,紅斑が多発していた.病理にて多発性有棘細胞癌,日光角化症と診断した.近年VRCZ内服による光線過敏症や有棘細胞癌の発症が相次いで報告されているが,自験例のような薬剤中止後の発症報告は少ない.しかし中止後であっても発症に関与する可能性があるため,多発有棘細胞癌,日光角化症をみた際には,過去の内服歴にも注意を払うとともに,長期にわたって注意深い経過観察が必要である.
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