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特集 悪性上皮系腫瘍
ボリコナゾール長期内服中に有棘細胞癌が多発した2例
Two cases of multiple squamous cell carcinoma associated with prolonged administration of voriconazole
土屋 海士郎
1
,
上村 杏奈
1
,
佐々木 庸介
1
,
土橋 隼人
1
,
中村 晃一郎
1
,
常深 祐一郎
1
Kaishiro TSUCHIYA
1
,
Anna KAMIMURA
1
,
Yosuke SASAKI
1
,
Hayato TSUCHIHASHI
1
,
Koichiro NAKAMURA
1
,
Yuichiro TSUNEMI
1
1埼玉医科大学,皮膚科学教室(主任:常深祐一郎教授)
キーワード:
ボリコナゾール
,
有棘細胞癌
Keyword:
ボリコナゾール
,
有棘細胞癌
pp.1775-1778
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004894
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症例1:66歳,女性。症例2:80歳,男性。ともに農業従事者で慢性肺アスペルギルス症に対しボリコナゾールを内服開始し,約5年後に頭頸部や手背に角化性紅色結節が出現した。有棘細胞癌in situと診断し冷凍凝固療法やイミキモド外用で改善するも病変は新生した。症例1では病変が一部潰瘍化し,浸潤した有棘細胞癌と診断して切除した。内服変更後は新規病変はない。ボリコナゾールの影響を考える有棘細胞癌の報告は近年本邦でも増加している。皮膚科医の間では周知されてきたが,医師全体としては不十分と思われる。ボリコナゾールの処方医に,使用時の遮光指導や紅色結節が多発してきた際の内服変更の重要性を啓発することが皮膚科医には求められる。
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