右耳前部Myxoid Spindle Cell Squamous Cell Carcinomaの1例

Myxoid spindle cell squamous cell carcinoma in the right preauricular region

79歳，男性。初診1カ月前より右耳前部に結節が出現し，急激に増大したため当科を受診した。初診時，右耳前部に痂皮を伴う15×13mmのドーム状に隆起する紅色腫瘤を認めた。部分生検を施行したが確定診断を得られず，5mmマージン，脂肪織レベルでの腫瘍切除を行った。切除標本の病理組織学的所見では，表皮直下から真皮中層にかけての粘液様間質内に淡好酸性の豊富な細胞質を有するspindle cellを認めた。免疫染色ではCK-AE1/AE3（＋），p63（＋），αSMA（＋），CD 68（＋），S100（－）であり，myxoid spindle cell squamous cell carcinomaと診断した。Myxoid spindle cell squamous cell carcinomaはsquamous cell carcinomaのなかでも特に希少なsubtypeである。自験例ではHE染色のみでの診断は困難であり，免疫染色が確定診断に有用であった。