Japanese
English
症例
腹部に病変を生じたHailey-Hailey病の1例
Hailey-Hailey disease presenting with an abdominal lesion
稲村 崇志
1
,
大西 美弥
1
,
藤井 理美
1
,
関山 紘子
1
,
新田 悠介
2
,
河野 通浩
2
,
高橋 洋文
3
,
髙橋 一夫
1
Takashi INAMURA
1
,
Miya OHNISHI
1
,
Satomi FUJII
1
,
Hiroko SEKIYAMA
1
,
Yusuke NITTA
2
,
Michihiro KOHNO
2
,
Hirohumi TAKAHASHI
3
,
Kazuo TAKAHASHI
1
1公立昭和病院,皮膚科(主任:髙橋一夫部長)
2秋田大学,皮膚科学・形成外科学講座
3高橋医院,小平市
キーワード:
Hailey-Hailey病
,
ATP2C1
,
非典型疹
Keyword:
Hailey-Hailey病
,
ATP2C1
,
非典型疹
pp.1679-1682
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004863
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61歳,男性。初診7年前より肛門周囲に皮疹を自覚し,近医へ通院していたが難治であった。皮疹が鼠径部まで拡大し当科を紹介受診した。初診時,両鼠径部,腋窩,肛囲にびらん,亀裂を伴う紅斑と,腹部に鱗屑性紅斑を認め,右鼠径部,腹部の病変部2カ所より皮膚生検を施行した。病理組織学的所見にて2カ所とも有棘層に棘融解を伴った水疱形成があり,Hailey-Hailey病の診断となった。生検後ステロイド外用を開始し,緩徐に改善傾向である。その後,ATP2C1遺伝子にヘテロ接合性の変異を同定した。軽症例での間擦部以外の皮疹出現の報告例は少ない。Hailey-Hailey病は病理所見のみで診断可能であるが,遺伝子変異を同定しておくことは患者にとって有益な情報となるため,積極的に行うことが望まれる。
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