Japanese
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特集 壊疽性膿皮症の最新知見と実践的アプローチ
(症例報告)
腸瘻周囲に発生した壊疽性膿皮症の1例
Pyoderma gangrenosum occurring at the site of intestinal fistula
陣内 晃子
1
,
内田 秀昭
1
,
林 耕太郎
1
,
鎌田 昌洋
1
,
外村 修一
2
,
石田 毅
3
,
笹島 ゆう子
3
,
多田 弥生
1
Akiko JINNOUCHI
1
,
Hideaki UCHIDA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Shuichi HOKAMURA
2
,
Tsuyoshi ISHIDA
3
,
Yuko SASAJIMA
3
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部,皮膚科学講座(主任:多田弥生主任教授)
2同,消化管外科
3同,病理診断科
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
ストーマ周囲型
,
腸瘻
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
ストーマ周囲型
,
腸瘻
pp.1608-1613
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004845
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81歳,女性。既往に関節リウマチ,大腸癌があった。1カ月前に食道癌に対して胸腔鏡下食道切除・腸瘻造設術が行われた。術後腸瘻の固定糸部位に潰瘍を認めた。近傍に再固定を行うも再び潰瘍化し,最初の固定部位の潰瘍とともに急速に拡大した。腹部に鳩卵大とクルミ大の壊死組織を伴う潰瘍が1つずつあり,再固定部にも1円玉大の痂皮を伴う潰瘍が2つあった。病理組織像では潰瘍形成と好中球を伴う高度の炎症細胞浸潤を認め,壊疽性膿皮症と診断した。創部から黄色ブドウ球菌が検出され,ミノサイクリンとプレドニゾロン内服にて潰瘍は上皮化した。ストーマ周囲型壊疽性膿皮症やその他の外的刺激がパテルギーとなって発症した壊疽性膿皮症を集積した。炎症性腸疾患や悪性腫瘍などの好中球が活性化されやすい素因を有している患者では,継続的に加わる刺激が壊疽性膿皮症発症の機転として作用することがあるため留意が必要である。
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