新型コロナウイルス感染症後に発症した四肢末端の血疱の1例

Blood blisters on the extremities appearing after COVID-19

51歳，男性。初診2週間前に他院にて新型コロナウイルス感染症と診断され，ホテル療養を行った。療養中，指や膝などの関節痛を自覚していたが，アセトアミノフェン内服など対症療法のみ行っていた。初診3日前に両手両足の浮腫，手足の血疱が出現し前医を受診した。深部静脈血栓症などが疑われ，精査加療目的で当院を紹介受診した。両手指，右膝，右足趾，踵に血疱や丘疹，びらんが多発，D-dimer 23.4μg/mlと高値であり，ヘパリン大量療法を開始した。皮膚生検でも真皮血管内に血栓を認めた。新型コロナウイルス感染症の完全な収束が見通せないなか，呼吸器症状などの無症状患者も多く，一般診療において皮疹から感染，感染後の後遺症を疑う機会も増えることが予想される。