Japanese
English
症例報告
広範囲の血疱を呈した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
A case of eosinophilic granulomatosis with polyangiitis with wide-spread bloodblisters
有馬 亜衣
1
,
宮下 和也
1
,
西川 美都子
1
,
小川 浩平
1
,
小豆澤 宏明
1
,
浅田 秀夫
1
,
伊東 杏理
2
,
大黒 奈津子
2
,
米今 諒
3
,
矢田 憲孝
3
,
巽 恵美子
3
Ai ARIMA
1
,
Kazuya MIYASHITA
1
,
Mitsuko NISHIKAWA
1
,
Kohei OGAWA
1
,
Hiroaki AZUKIZAWA
1
,
Hideo ASADA
1
,
Anri ITO
2
,
Natsuko DAIKOKU
2
,
Ryo YONEIMA
3
,
Noritaka YATA
3
,
Emiko TATSUMI
3
1奈良県立医科大学医学部皮膚科学講座
2奈良県総合医療センター皮膚科
3奈良県立医科大学医学部総合医療学講座
1Department of Dermatology, Nara Medical University, Kashihara, Japan
2Division of Dermatology, Nara Prefecture General Medical Center, Nara, Japan
3Department of General Medicine, Nara Medical University, Kashihara, Japan
キーワード:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
血疱
,
シクロホスファミドパルス
Keyword:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
血疱
,
シクロホスファミドパルス
pp.141-145
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205949
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要約 45歳,男性.気管支喘息,好酸球性副鼻腔炎,慢性中耳炎の既往あり.初診の2日前から両下腿に紫斑,血疱が多発し,発熱,著明な好酸球数上昇(26,000/μl)を認め当院へ紹介となった.主要臨床所見3項目と臨床経過の特徴を満たし,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断した.また,皮膚生検にて真皮から皮下にかけてびまん性に好酸球,リンパ球,好中球の浸潤を認めた.入院後,ステロイドパルスを3日間施行し翌日からプレドニゾロン1mg/kg/日を開始した.入院15日目頃から好酸球数,CRP再上昇がありシクロホスファミドパルス療法を行い軽快,ステロイドの漸減を行い以降再発は認めていない.本邦で広範囲の血疱を伴った好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の報告は1999年以降3例と少なく貴重な症例を経験した.本症例のように難治の場合はシクロホスファミドパルス治療の併用も選択肢の1つとして考慮するべきであると考えた.
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