Japanese
English
症例報告
CD4/8比の低下を伴い血疱を呈した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum with a hemorrhagic bulla and decreased ratio of CD4/8
泉 裕乃
1
,
相澤 浩
1
,
新村 眞人
1
,
三原 一郎
2
Hirono IZUMI
1
,
Hiroshi AIZAWA
1
,
Michihito NIIMURA
1
,
Ichiro MIHARA
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
2三原皮膚科
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
2Mihara Dermatology Clinic
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
血疱
,
分類不能型腸炎
,
CD4/8比
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
血疱
,
分類不能型腸炎
,
CD4/8比
pp.829-831
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902658
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20歳,男性.2週間前より右大腿,左足内側,左耳後部に疼痛を伴う隆起性浸潤性紅斑が出現し,39℃台の高熱とともに右大腿は16×14cmの堤防状に隆起する鮮紅色の潰瘍,左足内側は9×4.5cmの緊満性血疱,左耳後部は1×1cmの小潰瘍となった.血液検査にて白血球の軽度増加とCRPの増加を認め,CD4/8比は0.32と低下していた.内視鏡検査にて上行結腸から横行結腸にかけて多発性潰瘍がみられ,内視鏡所見と大腸生検によりクローン病とも潰瘍性大腸炎ともいえず,分類不能型腸炎と診断した.病理組織所見にて真皮全層に好中球の密な浸潤と真皮深層の血管壁への好中球の浸潤およびフィブリノイド変性を認め,周囲の炎症の波及した二次的な血管炎と考えた.分類不能型腸炎を伴う壊疽性膿皮症と診断し,プレドニン®とサラゾピリン®にて治療し約2か月で上皮化した.
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