Japanese
English
特集 日常診療に潜むリンパ腫・リンパ増殖性疾患―リンパ腫との鑑別が問題になる関連疾患―
(症例報告)
右下肢の蜂巣炎様の臨床像を呈したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例
Diffuse large B-cell lymphoma in the right lower leg that was first diagnosed as cellulitis
遠藤 麻衣
1
,
鈴木 重行
1
,
角田 三郎
2
,
北條 洋
3
Mai ENDO
1
,
Shigeyuki SUZUKI
1
,
Saburo TSUNODA
2
,
Hiroshi HOJO
3
1福島県立医科大学会津医療センター,皮膚科(主任:鈴木重行准教授)
2同,血液内科
3同,病理診断科
キーワード:
蜂巣炎
,
diffuse large B-cell lymphoma
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
bcl-2
Keyword:
蜂巣炎
,
diffuse large B-cell lymphoma
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
bcl-2
pp.1831-1834
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004251
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66歳,男性。約2週間前より右膝の違和感を自覚し,前医を初診した。右大腿内側から膝周囲に境界不明瞭な発赤,熱感,腫脹を認め,蜂巣炎が疑われ抗菌薬を内服したが,発赤が拡大してきたため,当科を紹介受診した。CRP 0.57と軽度であったが,臨床所見より蜂巣炎を疑い抗菌薬で加療した。しかし,発赤がさらに拡大し皮膚生検を行い,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断した。PET-CTで右下肢皮膚以外に他臓器に複数集積を認め,原発巣の特定は困難であった。血液内科でR-CHOP療法を施行し,右下肢の発赤,腫脹は速やかに改善した。蜂巣炎様の発赤,腫脹のみの臨床所見を呈するリンパ腫の症例は,本邦内では報告されていない。経過が臨床診断とあわない場合は,積極的に皮膚生検を行うべきである。
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